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光トポグラフィーの原理をわかりやすく解説

メンタルケア心理士の勉強をマイペースに進めています。

受験の申し込みをしたので、固有名詞や表を正確に覚える作業をしています。白紙の紙に単語を並べて、たまに見返して意味を思い出せるか、という方法で勉強しています。子供のときは丁寧にノートをまとめていましたが、ノートに書く時間がもったいないので、今は単語帳として使っています。

光トポグラフィーという脳の血流測定の方法があるのですが、この原理がテキストを読んでも理解できなくて、もやもやしていました。ですが、ネットで検索していたらすぐ原理がわかったので、同じようにもやもやしている方(そんな方はこのブログを見ないと思いますが)の参考になればと思い、ここに紹介します。



光トポグラフィーとは

光トポグラフィーは、脳の活動状態を知るために開発された検査法です。赤外線がヘモグロビンに吸収される現象を利用しています。吸収された赤外線の量が多ければ、ヘモグロビンが血液中にたくさんある、とわかるわけです。

うつ病や統合失調症の診断に利用されるようです。光トポグラフィーのヘッドセットを頭に装着させた状態で、「Aから始まる単語を思いつく限り挙げてみてください」などと課題を出して、患者の脳の活動状態をチェックします。課題を出しても血流が速くならなければうつ病、という具合に使われます。

ヘモグロビンが酸素を運ぶ理由

ヘモグロビンを知らない方のために、もう少し丁寧に説明します。

ヘモグロビンというのは、赤血球の中にある色素です。全身に酸素を運ぶ働きをしています。なぜ酸素を運ぶのかというと、人間は食べたものを燃やしてエネルギーを作り出しているので、活動するために酸素が必要だからです。酸素がなければ紙は燃えませんが、炭水化物や脂肪も一緒です。

燃えることを「酸化」ともいいます。鉄が錆びて赤っぽくなるのも酸化です。ヘモグロビンには鉄が含まれていて、これが酸素と結合するわけですが、すると血液は赤っぽくなります。金属が錆びる現象と似ていると思います。

理解できない説明文

テキストには次のように書いてありました。そのまま引用します。

Check!

赤色の光である近赤外線はヘモグロビンに照射されると吸収され、それ以外の身体部位に照射された場合は反射されるという性質がある。ヘモグロビンは血液の赤血球に含まれる物質であり、血流が速ければ吸収される近赤外線の量が多くなり、血流が遅くなれば吸収される近赤外線の量は少なくなる。近赤外線分光法を用いることで、近赤外線を脳血管に投射し、反射されて戻ってきた近赤外線の量を測定・数値化することで現在の脳の活動状態を知ることができるのである。精神解剖生理学基礎,p55,メンタルケア学術学会監修

この中の「血流が速ければ吸収される近赤外線量が多くなり」のところが理解できませんでした。

まず、血流速度が速くても遅くても、ヘモグロビンの量が変わるわけではないので、吸収される赤外線の量は一定ではないのか、と思いました。脳が活動すれば、酸素もたくさん消費されるので、酸素と結合していないヘモグロビンの割合が増えます。

つまり、この説明文のヘモグロビンは、脱酸素化ヘモグロビンのことなのかな、と想像しました。

血流が速いと赤外線の吸収が増える理由

そこでネットで検索してみたところ、こちらに納得のいく説明が載っていました。

脳が活動して、代謝が10%亢進したとすると、それに伴って血流は40%程度も増加するらしいです。つまり、活動時は脳の酸素消費は増えますが、それ以上に酸素が供給されるようになるので、酸素化ヘモグロビンの数値はむしろ増加するわけです。テキストを読んだときは誤植を疑いましたが、さきほどの説明文は正しかったことがわかりました。

ちなみに、光トポグラフィー では、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビンの量をそれぞれ測定することができるようです。動脈血と静脈血では色が違うので、吸収する光の波長も異なるのは、当然といえば当然ですね。

説明不足の文章について

テキストに書かれた内容は正しかったわけですが、やはり説明が不足していると思います。

子供の頃は、本を読んでも理解できないことがあるときは、自分の読解力をまず疑いました。でも、大人になってからは、文章が間違っているんじゃないか、と疑うようになりました。特に、専門的な内容を素人がまとめたりすると、理解できない文章になることがよくあります。日本語としては正しいのですが、論理的に説明されていないわけです。

たとえば、次のような三段論法があります。

  • ペンギンは鳥である。
  • ペンギンは飛べない。
  • したがって、飛べない鳥もいる。

この三つの文章は、本当はどれも省略することはできないのですが、このうちのどれかを省略してしまうわけです。必要な部分と気づかずに省略してしまうとしたら、それは文章を理解していないということだと思います。

一方、マスコミは、理解していながらわざと必要な部分を省略したりしますね。「遺憾だ」「許せない」などの表現が大好きで、そういう部分は絶対に見出しになります。

まとめ

光トポグラフィーについてまとめると次のようになります。

  • 光トポグラフィー は脳の活動状態を知ることができる検査法
  • 脳が活動すると代謝は亢進するが、それ以上に血流が増加する
  • うつ病では課題を与えても血流が増加しないことがある

今回はほとんどの方に関係のない記事を書いてしまいました。キカガク日記では、そういう内容が増えていくと思われますので、興味のない方は注意してください。

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このブログの執筆者キカガクです。
平成1年生まれの現役薬剤師。田舎山形の豪雪地帯に在住。現在は小児科クリニックの門前に勤務。メンタルケアに興味があり、心理学周辺を勉強中。SNSで医療や人間関係のヒントを発信しています。
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