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パーソナリティ障害の種類と対処法

心理学の勉強をしていて、パーソナリティ障害という言葉を知りました。薬学部では習わなかったと思います。

テキストには、他人と親密な関係を築きたいと思わず、それを楽しいとも思わない(シゾイドパーソナリティ障害)、道徳や倫理観に誠実すぎて融通が効かない(強迫性パーソナリティ障害)など、自分にぴったり当てはまる症状が書かれていて、気になって詳しく調べたので紹介します。

僕自身、自分がストレスを抱えやすい性格だと自覚していて、今回、それが治療が可能であることや、同じような症状で悩んでいる人がたくさんいることを知って、なんとなく楽になりました。パーソナリティ障害という名前なので、「性格が悪いこと」や「回復が難しいもの」と考えられがちですが、それは誤解だそうです。

自分が不安やストレスを感じやすいと思っている方は、参考にしてみると良いかもしれません。



パーソナリティ障害とは?

パーソナリティ障害の定義は、「その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った内的体験および行動の持続的パターンであり、ほかの精神障害に由来しないもの」だそうです。内的体験という言葉の意味が、僕にはよくわかりませんでした。

対人関係の捉え方やストレスの原因などは、人によって違いがあります。たとえば、困ったときに誰かに助けを求める人と、自分で解決しようとする人がいます。また、同じ問題でも小さく考える人と、大げさに考えて悩みすぎる人がいます。こういった考え方や行動のパターンが、周囲の人と著しく違っていて、それが原因で自分や周囲の人がストレスを感じている状態をパーソナリティ障害と呼びます。

約13%の人が何らかのパーソナリティ障害に該当します。うつ病や社交不安障害などの他の精神障害を合併していることも多く、実際に医療機関を訪れるのは、そういうケースがほとんどのようです。

パーソナリティ障害の種類

パーソナリティ障害は10種類に分類され、3つのグループに大別されます。「新しい分類ではシゾイド、妄想性、演技性、依存性がなくなり、6種類になる」と書かれたものもありましたが、僕が読んだものでは10種類に分類しているものがほとんどだったので、今回は10種類を紹介します。

A群・B群・C群のグループ

パーソナリティ障害は、A群〜C群の3つのグループに大別されます。クラスターAやクラスターCと呼ばれることもあります。

A群パーソナリティ障害

A群は、風変わりで自閉的なタイプのパーソナリティ障害です。

他人を危険で信用できないと考えて自己開示しない(妄想性パーソナリティ障害)、他者と親密な関係を築こうとしない(シゾイドパーソナリティ障害)、無関係な出来事に運命を感じたり、迷信や第六感を異常に信じる(統合失調型パーソナリティ障害)といった種類があります。

B群パーソナリティ障害

B群は、感情の混乱が激しく他人を巻き込むタイプです。

恋人や上司や友達から見捨てられることを怖がり、なりふり構わない行動を取る(境界性パーソナリティ障害)、業績がないにも関わらず、他人から認められることを強く期待する(自己愛性パーソナリティ障害)、自分が注目の的になっていないと楽しめず、過度な感情表現で他人の注意を引こうとする(演技性パーソナリティ障害)、自分の利益や快楽のために他人を騙したり、盗んだりすることに対する良心の呵責が欠如している(反社会性パーソナリティ障害)といった種類があります。

C群パーソナリティ障害

C群は、不安を感じやすく周囲の評価が気になるタイプです。

些細なことも他人のアドバイスがないと決められない(依存性パーソナリティ障害)、手順や規則を守ることにこだわり融通が効かない(強迫性パーソナリティ障害)、他人から批判や拒絶されることを恐れ、好かれているという確信がないと対人関係を築こうとしない(回避性パーソナリティ障害)といった種類があります。

診断と治療の方法

パーソナリティ障害の人が、「自分はパーソナリティ障害かもしれない」と医療機関を受診するケースは稀なようです。多くの場合、抑うつや不安で悩んだり、パーソナリティ障害が原因で離婚や失業といったトラブルに陥って医師に相談した際に、パーソナリティ障害の関係が疑われて発覚するようです。

診断基準はパーソナリティ障害の種類によって異なりますが、自分の行動パターンが適切でなく、そのせいで何度も不利益を被っているにも関わらず、自分のパターンを変えようとしないときなどにパーソナリティ障害が疑われます。

治療は、薬物療法やカウンセリングによって行われますが、長期間に及ぶことがほとんどです。最初は、不安や抑うつなどのストレスを軽減することを目標にして、それから自身のストレスの原因や不適切な行動を認識する手助けをしていくようです。

パーソナリティ障害は、年齢と共に軽快する傾向があることも明らかになっています。

パーソナリティ障害の原因

はっきりとした原因は不明ですが、先天的に脳が脆弱だったり、幼い頃から不安やストレスを感じやすい性質などが関係すると考えられています。両親から否定されてばかりだったり、クラスメイトや恋人から暴力を受けたりといった環境も、発症に影響します。

周囲の人のサポート

パーソナリティ障害の人が身近にいる場合も、特別に身構える必要はなく、普通に接するのが良いといわれます。もちろん、怒りやすい人には必要以上に刺激する言い方をしないようにしたり、関わりを求めている人には自分が負担にならない程度に関わる、といった配慮は必要です。

まとめ

最後に、パーソナリティ障害についてもう一度まとめます。

  • A群パーソナリティ障害…風変わりで自閉的なタイプ
    • 妄想性パーソナリティ障害:他人を危険で信用できないと考えて自己開示しない
    • シゾイドパーソナリティ障害:他者と親密な関係を築こうとしない
    • 統合失調型パーソナリティ障害:無関係な出来事に運命を感じたり、迷信や第六感を異常に信じる
  • B群パーソナリティ障害…感情の混乱が激しく他人を巻き込むタイプ
    • 境界性パーソナリティ障害:恋人や上司や友達から見捨てられることを怖がり、なりふり構わない行動を取る
    • 自己愛性パーソナリティ障害:業績がないにも関わらず、他人から認められることを強く期待する
    • 演技性パーソナリティ障害:自分が注目の的になっていないと楽しめず、過度な感情表現で他人の注意を引こうとする
    • 反社会性パーソナリティ障害:自分の利益や快楽のために他人を騙したり、盗んだりすることに対する良心の呵責が欠如している
  • C群パーソナリティ障害…不安を感じやすく周囲の評価が気になるタイプ
    • 依存性パーソナリティ障害:些細なことも他人のアドバイスがないと決められない
    • 強迫性パーソナリティ障害:手順や規則を守ることにこだわり融通が効かない
    • 回避性パーソナリティ障害:他人から批判や拒絶されることを恐れ、好かれているという確信がないと対人関係を築こうとしない

たとえばうつ病なら、セロトニンやノルアドレナリンといった物質が脳内で減少している、といった測定可能な基準があるわけですが、パーソナリティ障害にはそれがありません。これまでは単なる個性で片付けられていた問題も、今は治療の対象となっていたりすることが面白いと感じます。

病名がつけられると誤解や偏見の元にもなりそうですが、不安やストレスを感じやすくて悩んでいる人が、「この症状で悩んでいる人は他にもいる」「この症状は治療で改善が期待できる」と思えることは良いことだと思います。そういう意味で、パーソナリティ障害の治療がもっと一般的になってくれたら良いなと思います。

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このブログの執筆者キカガクです。
平成1年生まれの現役薬剤師。田舎山形の豪雪地帯に在住。現在は小児科クリニックの門前に勤務。メンタルケアに興味があり、心理学周辺を勉強中。SNSで医療や人間関係のヒントを発信しています。
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